桐蔭高校

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校長あいさつ

令和2年度入学式校長式辞

令和二年度 入学式式辞


       『主人公意識を持って行動しよう。学ぶ意義を大切にしよう』

                                                                         令和2年4月8日


 春爛漫の季節となりました。先ほど入学を許可した新入生の皆さんに、ここで改めて入学のお祝いを申し上げます。そして、保護者の皆様に心からお祝い申し上げます。


 国内はもとより世界的に新型コロナウイルス感染拡大が猛威を振るう中、本県においては都市部とは異なり感染拡大が一定限度落ち着いてるとして、新学期から学校再開に向けた取組を進めてまいりましたが、近日中の県内感染者数の増加と、近隣府県が緊急事態宣言の対象地域になったことを踏まえ、急遽、県立学校は4月12日(日)まで臨時休校措置となりました。しかしながら、入学式はお子様が学校生活をスタートする上で必要であるとの判断の下、令和二年度の入学式を短縮した形ではありますが、挙行することになったことを保護者の皆様方にはまずもってご理解いただきたいと思います。


  さて、本校は、明治12年、和歌山城南隣の岡山に設立された旧制和歌山中学校に始まり、明治22年から城内西の丸広場、大正4年からこの吹上の地と、常にお城を間近に見上げる市内中心地において、伝統ある「和中・桐蔭」の流れを受け継いできました。今年は、旧制和歌山中学校創設から142年目、昭和23年の桐蔭高校への切替わりから73年目、そして桐蔭中学校の開設から14年目となります。


 現在に至るまで知の巨人として知られる南方熊楠、戦前の中学校野球で初の全国連覇を成し遂げた野球部、世界で初めてビタミンAの抽出に成功した高橋克己博士、海軍大将、駐米特命全権大使、外務大臣等を歴任した野村吉三郎氏、ベルリンオリンピックで『友情のメダル』として知られる西田修平氏、直木賞作家の津本陽氏など、本校は、政治・経済・医療・科学技術・芸術・文化、スポーツに至る社会のあらゆる分野で、幾多の優秀な人材を生み出してきた「文武両道」を校訓すとる歴史と伝統のある学校であります。


 式辞にあたり、入学された皆さんに二つの事を述べたいと思います。
 一つめは、桐蔭での学校生活において主人公意識を持って、行動してほしいということです。既に知っている人は多いと思いますが、特に高校一年の皆さんは、これまでの入学生とは違う特徴があります。それは18歳成人の問題です。民法が改正され、2022年4月1日から、成人年齢が20歳から18歳へ引き下げられることになりました。皆さんの年代は、満18歳を迎える日に成人となる先駆けになります。今後どのようなことが起こるかと言うと、例をあげれば、学校生活では転学・退学の進路の決定をする際や、銀行でクレジットカードを作ったり、商品を購入するためにローンを契約する際などは、一応、法的には保護者の同意が要らなくなります。権利が与えられる分、それだけ責任が重くなるというこです。そのためこれまで以上に、責任と自覚を持った行動が皆さんに求められることになります。では、どのように行動すればいいのか。人間は生きていく上で「意識」が大切です。日常生活において、どういう意識を持って生きているか、それがその後の人生を決定すると言っても過言ではありません。その意識とは、主人公意識と被害者意識の二つに分かれます。 何事にも「させられている」「してくれない」「他人のせいにする」というのが被害者意識で、これに対し、主人公意識とは、自分の人生においては全て自分が主人公であり、責任者であるという意識です。この意識に立つ人はあらゆる事態に、自ずと主体的、積極的に立ち向かっていく事ができます。皆さんがこれからの桐蔭での学校生活において、この主人公意識を持って行動することを期待しています。


  二つめは桐蔭での学ぶ意義を大切にしてほしいということです。グローバル化が進展する国際社会にあってリーダーとなるべき資質や、あるいはAI・人工知能を最大限に活用する第四次産業革命が到来していると言われる中で、現代社会が求める総合的な人間力を身につけることが必要となっています。本校は、校訓である「文武両道」の下、「桐蔭は自ら人生を切り拓く人を育てます」という教育指針を掲げており、学業のみならず、部活動・行事にも力を入れています。部活動の全員参加はいうまでもなく、キャリア教育を通じて「学ぶ意義を大切にしよう」「学校行事にしっかり取り組もう」を合い言葉に教育活動を展開しています。桐蔭に入学したからには、これまで以上に学びたいという意欲に燃え、知る・わかる喜びと、感動する経験を味わってほしいと思います。そのためにも、皆さんには「今起こっていること」に関心を持つことを期待しています。「学び」は人生のパスポートです。学校生活以外で、世の中や世界で起こっている様々な事象に関心を持ち、その本質を問い、なぜなのかを自分で考える習慣を身につけることを願っています。「なぜ学ぶのか」「君は、どう考えるか」桐蔭では皆さんに問いかけ続けます。


 本校は、これまでの百四十一年の歴史の中で、様々な分野において、指導的な立場となり、活躍できる人材を輩出してきました。今後もそれは変わりません。皆さんにもこのことを期待しています。将来の予測が困難だと言われるこの時代に、皆さんが今後、社会のリーダーとして国内外で大いに活躍してくれる日を、私たち教職員一同のみならず、広く県民は望んでいます。


  保護者の皆様、本日はお子様の本校へのご入学、誠におめでとうございます。冒頭でも述べましたように、新型コロナウイルス感染拡大が続く中、本県においては4月12日(日)まで臨時休校措置となりました。来週からの学校再開にあたり、うがい、手洗いを始め、授業における教室の換気を始めとする、所謂“3つの密”を防ぐ感染防止対策の徹底を行い、学校行事を見直し、クラブ活動等に一定の制限を加える等、生徒にとっては従来とは異なる高校生活のスタートとなりますが、安心・安全を第一に考え、教育活動を展開して参りたいと考えています。同時にご家庭におかれましても、お子様の発熱や体調不良の際には無理をせず登校を控えていただき、ご家庭で休養する等、感染拡大防止ための取り組みをお願いします。このような場合は、欠席扱いではなく、出席停止扱いとなりますので、進路上では決してお子様の不利にはなりません。『明けない夜はない』という言葉が示すように、教職員一同気を引き締め、この困難を乗り越える覚悟でございますので、保護者の皆様には、どうかご理解いただき、本校の教育活動へのご支援とご協力を賜りたいと存じます。歴史と伝統を誇るこの学び舎で、お子様方が楽しく満ち足りた学校生活が送れることを心から願っています。


 以上をもちまして、私の式辞といたします。                               

令和元年度卒業証書授与式校長式辞

 令和年度 卒業証書授与式 式辞


          『ただ生きるのではなく、善く生きること』 


                          和歌山県立桐蔭中学校・桐蔭高等学校

                             校  長  木  皮   享

 


 ひと雨ごとに春らしい陽ざしが感じられるような今日の佳き日に、次代を背負う若者が新しい未来へ向けて巣立ちの時を迎えました。


 本日ここに、多くのご来賓の方々のご臨席を賜り、令和の時代に入り初めてとなる桐蔭高等学校普通科第72回、数理科学科第27回卒業式の挙行に際し、高いところからではございますが、教職員を代表し、厚く御礼申し上げます。


 また保護者の皆様方にも多数ご出席いただき、ありがとうございます。皆様方の大切なお子様をお預かりして3年間、ご期待に添うべく、教職員一同全力を傾け、教育に邁進して参りました。皆様方には、思春期の心身共に大きく成長したこの3年間を振り返り、感慨もひとしおのここと拝察し、お子様の晴れのご卒業を心から祝福しますとともに、その間、本校の教育に多大のご理解とご協力をいただきましたことを深く感謝申し上げます。


 さて卒業生諸君、ご卒業おめでとうございます。ただ今275名に卒業証書を授与いたしましたが、その卒業証書の重さは、皆さん一人ひとりの高校生活の充実度に比例して感じられることでしょう。皆さんの新しい旅立ちへの餞として、『だだ生きるのではなく、善く生きること』というソクラテスの言葉を贈りたいと思います。


 皆さんがこれから進もうとする社会は、先行きの見えない不透明な社会だと言われています。世界に目を向けると、広がり続ける繁栄と貧困の格差、宗教や文化的価値観の違いによる対立や紛争、核保有の脅威、自国第一主義を唱える保護主義の台頭、移民の流入による摩擦、微細なウイルスによる健康被害、足並みのそろわない地球温暖化への対応などが挙げられます。そのため私たちは今、「多様性を認め、持続可能な社会や経済をつくれるか」、あるいは「世界中の生活水準が一定のレベルで平等を達成できるか」という解決することがが難しい現実に直面しています。


 特に環境問題では、気候変動による災害が世界中で多発し、日本でも昨年は東日本を中心に、台風による河川の氾濫などにより大規模な災害が発生しました。これらは地球温暖化の影響が原因であると考えられています。そのような中で、スウェーデンの環境活動家グレタ・ツゥンベリさんの活動が世界的に話題となりました。彼女の「科学者たちの声に耳を傾けて」という訴えは、世界中の若者の行動に影響を与えたことは言うまでもありません。今、世界の若者には、「自分が何かしても変わらないだろう」とあきらめてしまうのではなく、まず「今起こっていることに関心を持つ」こと、その上で「何が社会の課題でどこに問題があるのか」を自分ごととして考えることがこれまで以上に問われているのではないでしょうか。「20世紀は、成熟した年長者が社会をリードすることが当然」とされた時代でした。しかし、「21世紀は、社会で変革を起こすことに年齢は関係がない」という流れが当たり前になるのではないかと予想されます。


 皆さんが生まれ育った21世紀の社会は、新しい知識・情報・技術が社会のあらゆる領域で活動の基盤となる知識基盤社会であると言われてきました。そして現在、その知識・情報・技術をめぐる変化の速さが加速化し、情報化やグローバル化といった社会変化が人間の予測を超えた早さで進展しています。特に人工知能、ビッグデータ、Iot、ロボティクス等の先端技術が急激に高度化し、あらゆる産業や社会に取り入れられ、社会のあり方が劇的に変わるとされるSociety5.0の時代を迎えています。


 私たちの身の回りの生活で考えると、ほとんど誰もがデジタルに接しており、電話やメールといったコミュニケーション機能のみならず、ありとあらゆるサービスをスマホ上で完結させることができます。検索機能を使えば辞書いらず、位置情報を使えば地図いらず、写真機能を使えばカメラいらず、買い物の決済は○○ペイ、タクシーの配車はアプリで、家や車の鍵もスマートキーと、私たちが日常当たり前に使うこの小さな端末がもたらす利便性のため、現代人にとって生活から切り離すことは不可能だと言っても過言ではありません。


 逆に言えば、このように世界の潮流になりつつある先端技術に自分だけが背を向けることが困難な時代でもあります。だからこそ、その弊害を克服し、人間が物心両面で生きていく道具として使いこなす知恵と努力が必要なのです。また同時に、デジタル化された社会においては、人間が今まで時間を割かなければならなかったルーティーンの多くから解放されるので、より根源的に「人間とは何か」、「なぜ生きるのか」といった命題を改めて問い直し、行動に移すことができる機会でもあるのです。


 ソクラテスが言う、「ただ生きること」ではなく「善く生きること」こそ大切にせよという教えは、当たり前のことのようで、実は今を生きる私たちに最も大切なことを教えています。「ただ生きること」とは、生物的生存を意味し、物と金と効率の面で快適さを志向し、「善く生きること」とは、人間的生存を意味し、知と真実と人間の魂への働きかけを志向するものです。これからの時代を生きていく皆さんには、ソクラテスが言う「善く生きる」ために知恵と努力が必要とされるわけですが、本校を卒業する皆さんにはそれらの資質が十分備わっていると確信し、その将来を期待しています。


 最後に、桐蔭高校は141年の歴史と伝統を持つ県下有数の名門校ですが、卒業してから母校を誇りに思うことがあっても名門を誇るのではなく、自らの実力にものを言わせて生きていただきたいと思います。『文武両道』の校訓の下、本校のモットーである「改革と伝統」「自ら人生を切り拓く」ことを信条とし、ここにいる275名がそれぞれ「ただ生きるのではなく、善く生きること」を大切にしつつ、本校の校庭にある楠木の大木のようにスケールの大きな人間としてこれからの社会において活躍されることを祈ってやみません。


 結びに、ご多用中にもかかわらず、本日の卒業式にご列席を賜りましたご来賓、並びに保護者の皆様方に重ねて御礼申し上げますとともに、卒業生に対しまして今後とも暖かいご指導、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げて、私の式辞といたします。                                  

平成31年度入学式校長式辞

 平成三十一年度 入学式 式辞


                       和歌山県立桐蔭中学校・桐蔭高等学校

                         校 長 木 皮  享

 


   春爛漫の季節となりました。先ほど入学を許可した新入生の皆さんに、ここで改めて入学のお祝いを申し上げます。そして、保護者の皆様に心からお祝い申し上げます。
 本日多数のご来賓と保護者各位のご臨席を得て、平成三十一年度の入学式を挙行できますことは、私ども教職員一同、大きな喜びでございます。


  今年は皇太子殿下が5月1日に新天皇に御即位され、元号が「令和」と改められる記念すべき年でもあります。また本年度より本校は平成3年開設の数理科学科を募集停止し、これまでの教育システムを発展的に融合させた「新たな普通科」を設置したスタートの年でもあり、新入生の皆さんがその最初の入学生となります。


   本校は、明治12年、和歌山城南隣の岡山に設立された旧制和歌山中学校に始まり、明治22年から城内西の丸広場、大正4年からこの吹上の地と、お城を間近に見上げる市内中心地において、伝統ある「和中・桐蔭」の流れを受け継いできました。今年は、旧制和歌山中学校創設から141年目、昭和23年の桐蔭高校への切替わりから72年目、そして桐蔭中学校の開設から13年目となります。


 現在に至るまで知の巨人として知られる南方熊楠、戦前の中学校野球で初の全国連覇した野球部、ベルリンオリンピックで「友情のメダル」として知られる棒高跳びの西田修平氏、直木賞作家の津本陽氏など政治・経済・医療・科学技術・芸術・文化、スポーツにいたる社会のあらゆる分野で活躍する、幾多の優秀な人材を生み出してきた「文武両道」を校訓とする歴史と伝統のある学校であります。


 式辞にあたり、本校にちなんだ言葉を紹介します。

 本校の生徒手帳に「青雲高く」という以前に歌われていた応援歌があります。その詩を紹介します。「青雲高く空に映え 見よ吹上の学園に 俊鋭の士気溢れたり 若人よ奮ひ立て 桐蔭 桐蔭 桐蔭 ああ桐蔭」故事に「青雲の志」という言葉があります。「立身出世して高位・高官の地位に至ろうとする功名心」と広辞苑にはあります。また「青雲高く」の歌にもあるように青雲とは高い空とそこに浮かぶ雲であり、どこまで行っても到達できない、それでもその雲を目指してあくまでも努力し、歩み続ける。青雲の志とはそういう意味でもあります。言い換えれば、理想に生きるということです。自分自身で掲げた志や目標が節目節目に必ず支えになってくれます。自分の目指すものを見据えることができると、自分と他人を比べて気にしたり、悩むようなことはなくなります。自信を持って自分自身の志を育ててください。これが皆さんに願う第1点です。


  次に「努力 天は自ら助くる者を助く」という言葉が同窓会館前にある石碑に刻まれています。これは皆さんの大先輩で、海軍大将・外務大臣・駐米特命全権大使を歴任した野村吉三郎氏の言葉であります。野村吉三郎氏は、本校の前身和歌山中学校を何度か訪れ、後輩達に努力することや勉強する大切さを語られ、励まされたそうです。先ほど引退したメジャーリーグのイチロー選手も引退の会見で、自らの生き様について次のように述べています。「自分の限界をちょっと越えていく、その積み重ねでしか自分を超えていけない」数々の大記録を打ち立てたイチロー選手の言葉も、私たちに努力することの大切さを教えています。努力することを惜しまない。これが皆さんに願う第2点です。


   そして「桐蔭は、自ら人生を切り拓く人を育てます」という言葉が校内の掲示板などで見られると思います。これは本校の教育目標であり、それを実現するために本校ではカリキュラムの工夫やキャリア教育の充実に取り組んでいます。グローバル化が進展する国際社会にあってリーダーとなるべき資質、あるいはモバイル機器やAI・人工知能を最大限に活用する第四次産業革命が到来している中で、現代社会が求める総合的な人間力を桐蔭でのすべての学びの中で育てることを柱としています。また、学びは校内だけではありません。本校が位置する吹上地区は市の中心地であり文教地区でもあります。周囲には県立近代美術館・博物館、和歌山城、県立図書館等、様々な学びの環境が整っています。入学生の皆さんにはこのような恵まれた教育システムや環境を積極的に活用し、学び続ける姿勢や本物に感動する心を大切にしてほしいと思います。学びたいという意欲に燃え、知る・わかる喜びに打ち震える経験を味わってほしい。一生感動する心を持ち続けてほしい。これが皆さんに願う第3点目です。


   本校は、これまで様々な分野で、指導的な立場となり活躍できる人材を輩出してきました。今後もそれは変わりません。皆さんにもそれを期待しています。そのためにも、普段の学習をとおして、人類が造り上げてきた膨大な知的・文化的遺産を自分の中で貪欲に取り組み、咀嚼し、同時に世界で起こっている様々な事象に関心を持ち、その本質を問い、なぜなのかを自分で考える習慣を身につけてください。「君は、どう考えるか」桐蔭は皆さんに問いかけ続けます。将来の予測が困難だと言われるこの時代に、皆さんが社会のリーダーとして全国、世界で大いに活躍してくれる日を、私たち教職員一同のみならず、広く県民は望んでいます。
 

  保護者の皆様、本日はお子様の本校へのご入学誠におめでとうございます。中学校からの六年間、高校からの三年間は、それぞれ人生の方向を決める大事な時期であり、悩みや苦しみの多い時期でもあります。私たち教職員一同は、お子様が自らの生きる道を、自ら切り拓いていけるよう、全力を尽くして参りますが、子供達の健全な成長を望み、豊かな個性を育てていくためには、学校と家庭がそれぞれの役割を果たしながらも、相互に補完し合い、連携を密にしていくことが重要であると考えています。どうか本校の方針をご理解いただき、ご支援とご協力を賜りたいと存じます。歴史と伝統を誇るこの学び舎で、楽しく満ち足りた学生生活が送れることを心から期待します。


  最後になりましたが、同窓会を始め多くの方々の力強いご支援を受けて、来る10月12日には、和中・桐蔭創立140周年記念行事を行います。新入生の皆さんを迎え、ますます躍進する桐蔭中学校・桐蔭高等学校を祝福する場としたいと考えています。
  以上をもちまして、式辞といたします。
 

 平成31年4月9日
                                       

「自ら学び挑戦する人間を育てるために」(校長あいさつ)


校長あいさつ 
                


     ~自ら学び挑戦する人間を育てるために~
                

                和歌山県立桐蔭中学校・桐蔭高等学校
                                      校  長    木 皮  享


 桐蔭のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
 桐蔭は、明治5年の「学制」公布により、同12年和歌山城南隣の岡山に設立された旧制和歌山中学校から今年で141年目、また昭和23年新学制により、桐蔭高等学校が誕生してから72年目を迎え、これまでに約4万人の有為の人材を世に輩出してきました。卒業生の多くは、政治・経済・医療・科学技術・文化・芸術・スポーツ等、様々な分野で手腕を発揮され、郷土和歌山のみならず、日本さらには世界を舞台に活躍されています。


 桐蔭ではこれまで校訓である「文武両道」のもと、切磋琢磨して勉強やクラブ活動に励み、学ぶことの意義や真理を探究し、自らの資質能力を高めてまいりました。この伝統は、時代を超えて、先輩から後輩へとしっかりと受け継がれています。また本校の正門には「改革と伝統」のモニュメントが建立されており、「真に人を育てる力を有する学校」であり続けるために日々の教育活動に励んでいます。


  そのような中、桐蔭ではすべての学びの中で「自ら人生を切り拓く人を育てる」という教育目標を掲げており、まず第一に「何のために勉強をするのか」という根源的な問い=「philosophy(哲学)」を大切にしています。大人はもちろん、大抵の子供たちは「勉強は自分のためにする」と答えるのがほとんどです。しかし桐蔭では「本当にそれだけでよいのだろうか」「君はどう考えるのか」と問いかけ続けています。その上で「自らの人生を切り拓く」ためには生徒たちに、「risk taker(リスクをとれる人)」になることを期待しています。日本の教育は子供たちが失敗しないよう安全な進路を選ばせる傾向にあると言われがちですが、それではchallengingな生き方ができません。リスクをとるということは責任をとることでもあり、リスクをとれない限り自分の道を切り拓いていくことはできません。「philosophy」を身にまとい「risk taker」たる気持ちが育っていれば、生徒たちは自ら学び、挑戦し、世界に通用する大人・リーダーへと成長していくものと考えています。


  AIの進化などで、科学の本来の目的や人間的な幸せとは何かといった問いに対して答えが出しにくいといわれる時代に、先人たちが築いてこられた歴史と伝統、そこに脈々と流れる思いを引き継ぎ未来へと繋げるため、これからも桐蔭は常に「改革と伝統」の精神を掲げ、志を高くもち、人材の育成に取り組んでまいります。


 微力でありますが、生徒・保護者はもとより、県民を始めとする多くの方々に、信頼され、夢と希望を与えられる学校となるように、教職員一同精一杯努力する所存です。今後とも本校の教育活動に関心をもっていただくともに、本校への温かいご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

平成31年4月


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